桜恋色
気がついて体を起こした時にはすっかり外も部屋も暗闇になっていた。



気分は晴れないけど、すっきりした体で伸びをしながら時計に目をやる。



「げっ……」



やっと暗がりに慣れた目を凝らせば、



十一時……。



十代最後の日を失恋と睡眠で終えてしまう自分に気分が鬱になる……。



「はぁ……」



せめてお風呂に入ってサッパリしよう……。



そう思って部屋の電気をつけた時だった。



タイミングを見計らったかのように玄関のチャイムが鳴り、



お風呂場に向かっていた足を、わたしは恐る恐る玄関へと向け直した。



そっと様子を窺えば、



「っ!?」



思ってもない姿が見えて、わたしは慌ててドアを開けた。
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