桜恋色
「先生に頼まれました」



昨日知り合ったばかりの年上の女だからか、



椎名くんはぎこちなく目を泳がせている。



「ありがとう! わざわざ」



わたしがお礼を言いながら笑いかければ、



「……いえっ」



椎名くんはニッとはにかんだ。



その顔がやたらに可愛くて、



思わず胸がキューンってなる……。



はぁ……。



弟が居たらこんな感じかなぁ。




「ねぇ」


「はいっ」


「今日の練習、もうした?」

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