戦国時代からやって来たお姫様との同棲生活
翌日、朝早くに男は起きた。例の女性はまだ寝ている。

時間は朝7時である。この女性は昨日夜12時近くに寝たから、まだ寝るのか不安だ。なぜ不安かというと男はこれから出掛けるからだ。男が出掛けている間に起きて、勝手に外に出たり、コンロの使い方やガスの使い方が分からずに火事をおこされても困る。まあ、過去の時代からやって来たお姫様がこの時代の物を勝手に使う度胸があるとは思えないが念のために用心はしておきたかった。

そして、男が行く先は家の近くにある秋葉原の喫茶店である。

徒歩五分にあるこの喫茶店に男はやって来た。この時間はまだ人も少なく落ち着く時間帯だ。それに気持ち悪いオタクも今ならいないから知り合いにあの女性の事を相談できる時間もある。

男は店のドアを開ける。

「いらっしゃいませ〜ご主人様・・・って仁くんか。ここに来るの珍しいね。」

「よう雛!今日はメイドの格好してんのか。相変わらず似合ってんな!」

「べ、別に似合ってないし・・・!それより、こんな朝早くから来るって昨日LINEで話していたこと?」

「ああ、本気で信じてくれるとは思わねぇけど、本当の話なんだ。そんで、俺一人じゃあどうしようも無いから雛に相談したんだが・・・。」

雛と呼ばれる女性は少し考える。

「ん〜、分かった。取り敢えずその話信じるよ。」

「本当か?じゃあ今日、仕事終わったら俺ん家来てくれ。」

「あー、あたし今日は7時出勤だから・・・夕方4時には終わると思うよ」

「ん、分かった。じゃあ取り敢えず、いつものアイスミルクコーヒーとチョコレートサンドイッチ食ってから帰るわ。」

「好きだねーチョコレートサンドイッチ。ウチで1番人気無いメニューだし、その内メニューから消えると思うよ?」

仁は少しショックを受ける。

そんな・・・こんなに甘いチョコレートサンドイッチが消えるかもなんてっ・・・・。

「じゃあメニューから消えるその日まで食い続けるわ。」

「あっ、ところで最近仕事サボらず行ってる?仁くんすぐに仕事辞めるから・・・少し気になるんだけど。」

この雛という女性はやたらと仁の事を気にする、そして仁はそれを鬱陶しく感じるときもある。

「気にすんなってっ!金はあるからっ!」

「それなら良いけど・・・」

「じゃあ取り敢えず仕事終わったら家に来てくれ。」
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