Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
店長がニヤニヤ笑うものだからなんだか恥ずかしくて、頬が熱くなってくる。

「あのSMOOTHの社長夫人がうちで働きたい、なんて言われたときはどうしようかと思ったけどさ。
でも、いまはよかったって思っている」

「店長、からかわないでください!」

社長夫人、なんて言われると顔から火を噴く。
征史さんとはまだ結婚はしていないが、――今月末は式だ。


ここ、『KIMONOKODOU(きものこどう)』は私の憧れのお店だった。
着物の古着を扱う、若者向けのお店。
当然、古着屋といってもセレクトショップのように明るくてきれいだし、帯や帯留めなどの小物のオリジナル商品も扱っている。

ずっと訪れてみたかったけれど春熙からは古着なんて買わなくたって、新しいの買ってあげるからって相手にもしてもらえなかった。

征史さんと暮らすようになってここの求人を知ったときは酷く迷った。

「愛乃がやりたいようにやればいい。
社長夫人が働いたらいけないなんて決まりはない」
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