君と二人の201号室





「菜帆、着いたよ」

「ん…」



目を閉じただけのつもりだったのに、いつのまにか眠っていたらしい。



「ほら、起きて。着いたから」

「…え…?」

「ほら」



そう言って指さされた先を見ると、立派な一軒家。

…いや、立派なんてレベルじゃない。豪邸だ。すごすぎる。

拓海さんの親って、何してる人なんだろう…?



「でっかいですね…」

「そう?まぁ、普通の家に比べたらちょっと大きいかも」



ちょっとなんてレベルじゃないですよ。

すごい大きいと思いますが。



「行こうか。あの人たち待ってるだろうし」

「はい…。緊張します…」

「多分、最初だけだから大丈夫」



最初だけ…?

…親しみやすい人たちだから、すぐに慣れるっていう理由とかかな?


まぁいっか。


とりあえず、覚悟を決めなきゃ!

…緊張って、どうしたらしなくなるんだろう。いや、全く緊張感がないのも、それはそれでダメだと思うけど。


拓海さんに連れられて、車を降りて玄関まで向かった。庭も広い。なぜ。…公園並みにある気がする。

よく周りを見ると、たくさん木が植わっていて、益々公園みたいだ。

…ところどころに、庭師さんみたいな人がいるから、やっぱりお金持ちなんだろうなぁ…と、改めて思う。


……なんか余計、心配になってきた…。


貧乏生活を続けてきた私には、いきなりハードルが高すぎるよ……。



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