王子様は甘いのがお好き
「君、営業先の会社から“売上”と称してお金を受け取っているよね?」

「えっ、なっ…!?」

そう言った社長に、田原は何で知っているんだと言う顔をした。

「調べさせてもらったよ。

君が賄賂を受け取っていること、その他にも何もかも全てを調べさせてもらったよ」

田原が社長の後ろに立っている私の存在に気づいて視線を向けてきたけど、私は彼から目をそらした。

自業自得でしょうが。

「営業先の女性をしつこく食事に誘ったり、セクハラまがいなことをしたと言う報告もあがっているよ。

『レンブラント』の受付の小山内さんだったかな?

しつこい、気持ち悪いって、君のことをかなり迷惑がってた様子だったよ」

社長は忌々しそうに言うと、息を吐いた。
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