王子様は甘いのがお好き
社長はハッとしたように目を見開くと、
「何だ、そうか…。

そう言うことだったか…」
と、息を吐いた。

「あの…一体、何があったって言うんですか?」

話の意味がまだわからなくて聞いたら、
「目の前で君が僕以外の男と一緒にいるところを見て、どうしようもないくらいに嫉妬したんだ。

“彼女は僕のものなのに…”って、そんな柄にもないことを思った」

社長は自嘲気味に言った。

「ぼ、僕のものって…」

本当に柄にもない…と言うか、社長は何を思ったんだ。

「恋をしたらしい」

社長がそう言ったので、
「えっ?」

私はまた聞き返した。

「こ、恋ですか…?」

今度は何を言い出したんだ!?

社長はフッと笑って顔を近づけると、
「君を好きになったみたいだ。

髪じゃなくて、1人の女性として、君に恋をしたらしい」
と、言った。
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