【最愛婚シリーズ】俺に堕ちろ~俺様社長の極甘な溺愛包囲網
第一章 再会のとき

第一章再会のとき

その日のわたしは普段なら断る入社二、三年目の社員がメインで参加する暑気(しょき)払いという名の飲み会に参加していた。

ショッピングビルの空中庭園で催されている期間限定のビアガーデンは、一昔前の仕事帰りのおじさま達の憩いの場所とは違い、ジャズが流れるおしゃれな空間だ。

イケメンのバーテンがシェイカーを振る姿を、女子会をしている女の子達が色めきだって見ている。

……はぁ、やっぱり来るんじゃなかった。

そもそも今回だって参加する予定じゃなかった。

それどころか、声がかかったのも不思議だったのだ。

わたしを誘ったのは、営業の前野(まえの)くん。

わたしが直接アシスタントを担当しているわけではないけれど、店頭で彼のお客さんの接客をすることが数回重なり、お礼をしたいと前々から言われていた。

わたしはただ自分の仕事をこなしただけだからと、数度丁寧にお断りをしていたのだが、彼もなかなか引かず。

善意からとはいえ何度も断るのも気が引けてしまい、

ふたりで行くよりは社内の他の人物が一緒の席のほうがいいと思って今回の暑気払いに参加することにしたのだけれど……。
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