獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~

9、彼の夢を私も追いかけたい

「そんなことを気にする暇があったら、ちゃんと休んで体調戻すこと。まずはシャワー浴びておいで」
鷹臣君にそう言われ、無性に腹が立った。
言い返そうと思ったけど、また子供扱いされると思ってグッと堪えた。
なにも言わずにひとり寝室に戻ると、汗と砂埃を落としたくて着替えを持ってバスルームに入る。
服を脱ぐが、畳まずそのまま床に放置した。
今日の鷹臣君は嫌いだ。
いつもと違って言い方が刺々しい。
ファイサル王子の件にしたって、私の主張は無視。
もう大人なんだから仕事以外のことは自分で決めてもいいじゃない。
過保護すぎるんだよ、鷹臣君は!
今までこんな風に彼にムカついたことはなかった。
いつだって優しいお兄さんって感じで、私の行動を温かく見守ってくれたのに……。
「……鷹臣君の馬鹿」
毒づきながらドアを開け、シャワーのコックをひねる。
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