獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
階段を上がってすぐの部屋のドアを開ければ、その部屋の主はぐっすりと眠っていた。
「相変わらず眠れる王子様だね」
うちのお父さんなんか、布団をはいで大の字でいびきかいて寝てるのにな。
彼の寝顔を写真に撮ってネットにアップしたら、きっと『いいね』が何万件にもなるに違いない。
私……高宮鈴音は、大学四年生で二十二歳。
身長百五十五センチ、目はパッチリ二重。
髪は栗毛色でストレートロング。
長いとはねても気にならないし、意外と手入れが簡単で、小学校の頃からこの髪型は変わっていない。
共働きしている両親の代わりに五つ下の弟の世話をしてきたこともあって、自分でいうのもなんだけどしっかり者。
家事は得意だし、赤ちゃんのお世話だってできる。
そんな私がなぜ隣の家に上がり込んでいるかというと、朝が苦手なこの王子様を叩き起こすため。
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