獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~

13、神秘の神殿に彼女とー鷹臣side

爆発音と共に岩や石が崩れ落ちてきた。
「キャア!」
鈴音が叫び声を上げる。
爆風で砂が舞い上がり、なにも見えない。
洞穴から逃げる時間なんてなかった。
「鈴音!」
彼女だけは守ろうと、その華奢な身体に覆い被さる。
ドンと石がいくつか背中に降ってきたが、歯を食いしばって痛みをじっと堪えた。
なにがあっても鈴音だけは守らななければ……。
それしか頭になかった。
大きな岩が落ちてきたら彼女だって助からないかもしれない。
どうか鈴音だけでも……。
そう必死に願いながら鈴音の身体をギュッと抱いていたら、落石の音がしなくなった。
この爆発で洞穴に設置していたライトは壊れたのか、周囲は真っ暗。
砂塵でゲホゲホと咳込みながら、ヘルメットのヘッドライトをつける。
「鈴音、鈴音、大丈夫?」
彼女の身体を揺すると、うっすら目を開けた。
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