獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~

3、眠っている彼女に ー鷹臣side

「俺の地雷を踏んだな、オールマン」
鈴音からこいつを引き離して、ギロリと睨みつける。
恩師と話し込んでいるうちに彼女の姿が見えなくなってテラスに探しに来てみれば、オールマンが手を出そうとしていた。
こいつは俺と同じエジプト考古学者。
オールマンも山上先生に師事していた。
野心家で遺跡発掘で俺に先を越されたのが悔しいのか、なにかにつけて邪魔をしてくる。
噂では、こいつも来月エジプトに発掘調査に行くらしい。
オールマンはただ名声を得たいだけ。
古代の謎を解き明かそうなんてこれっぽっちも思っていない。
彼にはわからないだろう。
未盗掘の墓を発見した時のあの感動。
身体中の血が熱くなって、自分がおかしくなりそうだった。
もわっとした空気と共に飛び込んでくる夢にまで見た光景。
金色の壁、黄金の棺に彫刻に、寝台、四千を超える副葬品。
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