君の見る空は青くない。


 「お兄ちゃん、今日友達からDVDかりてきたから、それ見ていい?」


 「どうぞ、お好きに。俺風呂入るから。」


 「はぁーい…。」

 
 


 
 風呂から上がり、リビングに戻る。


 
 「エリカ、俺、エリカのことが好きだ。」


 どうやら、映画は告白シーンのようだ。


 「リョウ、くん…。私も……っん。」

  
 「わぁっ!」

 
 思わず声が出てしまう。
 
 
 キス…シーン………。


 「お兄ちゃん?どうしたの?今日、なんか変だよ?」


 「…あ…ごめ、ん。」


 -ピッ、と真由がリモコンのボタンを押す。


 
 「水夏理ちゃんと、なんかあったでしょ?」


 「…はっ!んなわけないだろ!」


 「うん。あったんだね。」


 相変わらず、真由の勘は鋭すぎる。


 こういうとき、本当に迷惑だ…。



 「うーむ…。何があったのかね…。………キス…。」


 「はぁ!?」


 「あ、赤くなった。」
 

 真由の勘の鋭さは、本当にすぐれていて、たまにうざいと感じる。



 「水夏理ちゃんとキスしたんだ。」 


 「………。」


 真由を無視して、自分の部屋に戻る。


  


 水夏理のあの顔、ちょっとエロかったな…。


 ……ほんと、俺、変態だ。







 
 


 
 

 

 


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