麻布十番の妖遊戯
「たまこちゃんは留守番頼むね」

 太郎がたまこの頭を撫でる。

 何か言いたそうな困った顔をしてたまこは席を立ち、太郎の後ろへノートを抱えて小走りに移動した。

 たまこが座っていた席がぽっかりと空いた。
 そこに太郎が火のついた蝋燭を置く。

「じゃ、始めるぜい」

 太郎が蝋燭の火をふうっと吹き消した。
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