失翼の天使―wing lost the angel―
8†小さな夢



「何か質問は?」



「はいっ!」



「……馬鹿っ!止めとけ!;;」



翌日、賴真と共に出勤すれば、カンファレンスルームが空調設備の点検が遅れてるとかで使えず、ナースステーションのテーブルを借りてのミーティング。

使いたくても使えないテーブルを眺める仙田さんを手招きし、ノートパソコンを使わせる。

もうミーティングも終わる。

いつまでも隅で待つ必要はない。



「何だ。はっきり言え」



「突き破られました!?」



「――ブッ!!;;」



「「何っ!?」」



「ヤダぁ!優海ったらぁ!」



ごちゃごちゃ言い合ってた松枝君と副島君を見ながらコーヒーを飲んでると、兄が松枝君の手を引き、副島君に発言させる。

仕事の話かと思えば、まさかの私。

しかも前置きなく、下ネタをぶっ込んで来た。

兄と宮本先生が食い気味で、姉と隣の仙田さんはニヤニヤとしてる。

賴真は小さくいいねポーズを見せる中、とりあえずテーブルの吹き出したコーヒーを拭う。

…冷静になれ……。

冷静になるんだ、私……っ!

--パコン…ッ



「何だよっ!!;;」



深呼吸を繰り返すうちにわき出した怒り。

ティッシュ箱で賴真の頭を叩き、副島君を睨み付けた。
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