失翼の天使―wing lost the angel―
「俺も鍛えようかな……」



「…………」



武藤君まで2人の事に興味ない様子の為、無視して診察室へと行く。

「呼んで来て」と鮎川さんに声を掛け、私は先に中へと入る。



「47歳、男性……。腰痛……、発熱……。近所の内科を受診……」



問診票を確認しながらカルテの作成。

入力をしながら患者さんを出迎えると、奥さんに支えられながら入室して来た。



「座れます?寝た方が楽ですか?」



「ま、まぁ……;;」



メタボ体型で、小柄の奥さんではしんどそうで思わず立ち上がり、支えながら声掛け。

診察台へと導き、座ったのを確認して頭を支えて横になって貰う。



「鮎川さん、エコーの準備して?で、誰か呼んで来て」



「はい」



Tシャツの上からお腹を触診しながら鮎川さんに指示を出す。



「入ります」



「……あの、違っ……;;」



「あ、ナースか」



「そうそう;;」



聴診しようとステートを耳に嵌めようとすると何故か兄が入って来た。

私の様子に気付き、身を引きながら近くに居たらしい仙田さんを呼んでくれた。



「エコー入りまーす!」



「採血とMRIのオーダー出してくれる?」



鮎川さんが入って来る中、仙田さんに指示。
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