失翼の天使―wing lost the angel―
「武藤。もっと副島を鍛えろ」



「えー!?武藤さんにですかー?それはダメですよ、長崎部長」



「何でだ。武藤はこの4月から独り立ちしたドクターだろ」



「キィーッ!俺には先輩だけしか居ませんよ」



「天真先生、ここなんですけど」



「裏切り……?遥真先生、慰めてー!」



「友田君、もっと右だな」



「……聞いてないし……;;」



気心知れた仲間に囲まれ、良い環境だけれど、相変わらずなナースステーション。



「あっ!もっ!……何よ、このパソコン!!」



「お義姉さんやりますよ」



「本当に優しいわね、紅葉ちゃん」



看護師を務めながらも、新たに事務は雇わず受付と会計も引き受けた姉は、慣れないパソコンに苦戦中。

ひな祭りの3月3日に兄とゴールインし、家族となった仙田さんにニタニタし、パソコン業務を押し付けようと、レジの前は譲らないがめつさ。

…何が“紅葉ちゃん”よ;;

呼び慣れるまでに何日も掛かってたくせに;;



「優海先生!俺の指導して下さいよー!」



「ヤダ。旦那に頼んで?」



「……言いたいだけでしょ;;」



「……つまんねぇな、副島」



「物真似しなくて良いですから!;;」



ちなみに私と賴真は、先輩のクリニックなどで食いを繋いでた昨年11月30日に入籍。

私の誕生日に。
< 207 / 219 >

この作品をシェア

pagetop