失翼の天使―wing lost the angel―
6†遊園地



付き合い始めてから3日後。

ついに、あの日についての処分が下された。



「救命救急センターの皆さんにはご迷惑をお掛け致しますが、よろしくお願いします」



ササオカさんの奥さんは、鷺沼先生に非がないとわかってくれたみたいだけど、大池主任の事を許さなかった。

懲戒解雇としても、院長に免じてとはならず、訴えるとまで言われたらしい。

話し合いはまだ続けてるらしいものの、大池主任の解雇そして、彼女に甘かった救命の体制にも問題はあったとし、院長・部長・鷺沼先生には2ヶ月間の給料10%カットが言い渡された。

順当に主任には仙田さんが就く事になり、満場一致で異論も出ずに会議は終了。

私は配布された用紙を手に、仙田さんとそそくさと会議室を出た。

--ブーッブーッ



「……?何?」



『優海姉ちゃん、“もしもし”とか言えってマジで!』



「仕事中なのわかるでしょ」



タイミングとして悪くはないものの、絶対に私が仕事中である事をわかってて電話をして来た湊にイラッとしながら電話に出る。

それに、“マジで”とか意味わからない。

私も使うっちゃ使うけど、今の会話にマジでは必要だっただろうか。

明らかないだろう。
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