お見合い相手はエリート同期

「こんなところに住んでたの?
 日本に帰って間もないはずなのに贅沢だね。」

「いや。前、俺ん家に来いよって誘ったその日に契約した。
 って叔父さんからだから融通を利かせてもらって、正式にはまだ俺のじゃないんだ。」

 叔父さんからって言っても……。

「買ったの?」

「まぁ。一緒に住むならいっかと思って。
 知り合い価格だから破格だったし。
 それでも無駄にならなくて良かったよ。」

 2人で住むとしても贅沢なマンションだと思う。
 部屋数がいくつあるのかは分からないけどリビングとダイニングを見ただけでも贅沢な広さ。

「だって……。今まで住んでたところは?」

「帰国したばかりだぞ。
 男子寮に決まってる。」

 そっか。それはそうだ。
 帰国してすぐは実家や持ち家じゃなければ寮に入るのが普通だ。

「男子寮じゃ連れ込めないだろ?
 朱音を誰かさんみたいに安いモーテルへ連れて行きたくないし、さすがに毎度高級ホテルへ行けるほど俺も……な。
 かといって朱音のマンションってのも……。
 男のメンツがあるだろ?」

 安いモーテルは完全に岡本課長のことを蔑んで言っているのが分かる。

 そこまで考えてふと気付く。

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