お見合い相手はエリート同期

 恋は盲目とはこのことだと思う。
 途中まで私が支えてあげなきゃって思いかけていたけれど、今までのこともあるから立ち止まってよく考えた。

 心に引っかかる部分を書き出してみる。

 書き出してみると出るわ出るわ……。
 どうして付き合っていたんだろうって思えるほど。

 そして決め手はやっぱり仕事を辞めてきたこと。
 結婚するつもりがあるのなら、今後の2人にとって大切なことだ。

 それを相談もなく決めてきて、しかも私が彼を養っていくことがさも当然のことのように………。

「あー。ダメダメ。
 思い出すと暗くなるから。」

「そうだね。
 ま、結婚しておいて急に仕事を辞めてくるよりは良かったんじゃない?」

「はは。ポジティブだなぁ。」

 こんな風だから私は見合いをお願いした。
 私が選ぶと碌なことがないから。

 人に、できれば私より年上のしっかりした人に選んで欲しかった。
 部長はのほほんとはしているけど、人を見る目は……あると思ってたんだけどなぁ。

< 37 / 199 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop