【短編】夜の魔法が解ける、その前に
序章


今年もついに今日、終わりを告げる。


真っ暗な空と対照的に明るい神社を照らすのは

煌々と光るお祭り用の大きな電気。

そして境内には赤い提灯が飾られていて、


提灯の光が門の外にいる家族、カップル、友達同士のウキウキした幸せそうな顔を温かく照らしている。


「何でこんなに並んでんの」
「ばか!初詣だからだって」
「今年は受験だから、合格祈願だね」



そのぬくぬくとした幸せな雰囲気に水を差すかのように、冬の風が足元を通った。




まさか私が、新しい年を目前にして、

突然、

アイツにこんなことを言われるなんて。


「あのさ、今、俺が好きって言ったらどうする?」


こんなことって、


本当にあるんだ。


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