お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました

「……多分?」
「どうして疑問形なんだ」
「ごめんなさい。つい正直に」


そこまで言って、ふたりは同時にクスッと笑い合う。修矢は離れて座っていた距離を詰め、千花の肩を引き寄せた。

高鳴る鼓動が千花の気分を高揚させていく。頬に添えられた修矢の手が、千花の顎をそっと持ち上げた。
そっと重なり合い、離れる唇。


「これで二回オーバー。いい加減、俺に落ちろ」


なんて俺様な言い方。そう思うくせに膨らむ想いは止められない。


「それならとっくに……」


目を閉じて修矢の唇を待ちわびる。

修矢に惹かれたのはいつからだったのだろう。今となっては千花にもわからない。
言葉と裏腹に見せる優しさに気づかされ、隠し持った笑顔に胸がときめいた。

その優しさをもっと感じたい。その笑顔をいつか自分にも向けてもらいたい。そう思ったとき、千花はすでに修矢に落ちていたのだろう。
きっと、五回目のキスよりずっと前に。

再び重なった唇はこれまでと比べ物にならないほどに熱く、千花の気持ちを高ぶらせる。ゆっくりと動き回る修矢の舌づかいが、千花の唇から甘い吐息を漏らせた。

千花の右手は修矢の指先が絡められ、後頭部に深く差し込まれた修矢の右手が千花の髪を弄ぶ。これまでにない修矢のキスに、千花は夢中になって応えた。

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