恋色。



俺の侑南への気持ちは、好きになった頃から全く変わっていない。


中学生の時、ある女子から告られて、『好きな人がいるから』と断ったら、周りの女子から責められた。


『最低』

『意味わかんない』


好き勝手に言われて、そこそこ俺なりに傷ついた。

それから女子が苦手になったけど、侑南は俺に変わらず接してくれるし、何かあったら話を聞いてくれたし、俺にとって必要不可欠な存在だと気付いた。


それと同時に、初めて『人を好きになること』の意味を理解して、侑南のことが好きだってわかったんだ。


「そういえば藍の彼氏!2年記念日にブランドのアクセサリープレゼントしてくれたんだってー!」


藍ちゃんは、侑南の親友。

藍ちゃんは、高1の時にできた彼氏と今でも付き合っていて、その彼氏さんは2つ年上の大学2年生。


「大学生金持ってんな」

「はぁ…晃佑そういうことじゃないの」

「あ?」

「彼女を喜ばせようとか、こうしたら喜んでくれるかなとか、必死に考えてくれて、サプライズしてくれたんだよ?素敵じゃない?いいな〜、そんな素敵な彼氏が欲しい!」


女子はサプライズに弱いって聞いたことがある。

侑南もそのくくりの1人だ。

俺が焼きそばパンを3限と4限の間に買ってきてやっただけで、地から天に飛び上がったように喜んでくれる。


「女って単純だな」

「そこをどう喜ばせてあげるかだよ、晃佑。覚えときな?」

「うざいよ」


女は単純。

そういったけど、俺は侑南といるだけでいつも幸せだと想ってて。


男の俺も案外単純でバカだなって思った。


< 9 / 16 >

この作品をシェア

pagetop