嘘の続きは
「久しぶりね。真紀の影武者もご苦労様でした。手のかかる姉の貰い手が付いて妹としてはホッとしたんじゃない？」
表情を緩めてケラケラと笑い始めた彼女に凄腕経営者の雰囲気はなくて、私も表情を緩めた。

「よかったです。でも、本性がバレて返品されないか心配なんですけどー。なにせあの姉なんで」

えへへっと笑うとぱこーんっと後頭部を殴られた。

「こらっ。あんた何言ってんの」

「えっ、お姉ちゃんいたんだ」

「今着いたとこ。ホントに失礼な妹ねっ」

タイミングよく真紀が入ってきて会話を聞かれてしまったらしい。

「ホントのことだし」

口を尖らせば真紀の背後からクスクスと鈴のような軽やかな笑い声がして真紀が誰かを連れてきたのだと気が付いた。

え、誰？

どこかで見たことがあるような？

私と同じくらいの年齢だろうか、くっきりとした二重の目は綺麗な三日月を描いていて口角はきゅっと持ち上がっている。笑われてしまったのに嫌な気持ちにならない。
纏っている雰囲気が柔らかい、それでいて芯の通っていそうな不思議に可愛い女性が立っていた。

あ、もしかしてタカトの彼女さん・・・。

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