秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています

 コンシェルジュカウンターに戻って仕事の続きを始める。直樹は今から会社に戻ると言ってタクシーに乗っていった。

 さっきの出来事のせいで、まだ胸が騒いで収まらない。

 樹里が私たちの子だと知って、とても嬉しそうにしていた。生まれたときのことや、今までのことを聞きたがって知りたがっていた。

 親である私と同じくらいの熱量で樹里のことを知りたがってくれることに驚きながらも嬉しく感じた。

 迷惑じゃ……なかったのかな。

 元カノと再会して、実は子どもがいたんです、なんて驚愕の事実のはず。人によっては「迷惑だ、二度と顔を出すな」と怒られても仕方のないようなことをしているのに……。

 私のしたことを包み込み、その上、私たちと家族になりたいと願ってくれた。

 直樹……どうして?

 もしかしてそうやって責任を取ろうとしてくれてる?
 もう何年も離れていたのだし、恋愛感情が残っているとは思いにくい。だったらあるのは責任感しか考えられない。

 そんな責任感のために私と一緒にいてもらうのは心苦しい。樹里にとってはお父さんができることはいいことだけど……でも……。

 ここは慎重に考えなければならない。冷静になろう。
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