秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています

 素直に打ち明けると、彼女は照れたような表情を浮かべて頬を赤らめる。そのいじらしい態度が可愛くて仕方ない。

「ベッドに行こうか」
「……うん」

 どれだけ疲労困憊でも、友里が傍にいれば回復できる。友里を感じて、愛に満たされていると幸せなんだ。

 樹里が眠っている部屋ではなく、別室へ向かう。全く使っていなかったゲストルームだったからいらないなと思っていたのに、こんなに使う日が来るなんて。

 しかも友里と――

 喜びを噛み締めながら、部屋の扉を閉めてふたりだけの空間にする。

そして子どもには見せられないような甘い時間を堪能したのだった。
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