秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています

そんな彼から好きだと言われて、彼女になってほしいと言われている。

 どうしよう、どうしよう。
 こんなの、断れないよ。

「……いいの?」
「え?」
「私で本当にいいの?」

 一緒にいて、やっぱり違うと思ったりしない?がっかりされたりしない?
 こんな私だけど……あなたの隣にいて、いいの?

「椎名さんじゃなきゃ、嫌なんだ。椎名さんがいい」

 力強くそう言われて、嬉しさがこみ上げる。
 小野寺くんの言葉を信じよう。素直に――

「お付き合い……します」

 そう答えると、ぱあっと表情を明るくした小野寺くんは、力いっぱい私を抱き締めた。

「きゃ……っ」
「椎名さん、好きだ! 嬉しい、OKしてくれて、ありがとう!」

 心底喜んでくれているのが伝わって、胸がいっぱいになる。

「これからよろしくお願いします」

 こうして私たちの付き合いがスタートした。
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