隣人はクールな同期でした。
ウチの会社は
毎年どこかの季節で(社長考案のため)
部署関係なく全職員が対象で
社員旅行に行っている。

人数も多いから
かなりの大型企画だ。


『他の社員と交流を深め
 旅行内容を仕事に活かす!』という
 よくわからない方針があるらしい。

だからアタシ達の部署も
課長は張り切っていて
そんな提案までしてくる。

こじ付けな気もするけど。


社員旅行と言えど
キャンプを自らが体験する事で
夏特集の名目として雑誌への集客を図る…

なんとも抜け目ない上司だ。


「キャンプは2泊3日。
 中身の濃い充実したモノにしてもらいたい。
 それによって
 利益が左右されるんだ!」


本音…言っちゃってるじゃん。
もうそれ仕事がメインでしょ。


社員達のブーイングもお構いなく
旅行の日程と場所が決定されたのは
言うまでもない―――


「セツナ~」


お昼休みに社員食堂でうどんを食べていると
すかさずやってきた陽向さん。


「来月のキャンプ!
 テントは一緒に寝ような♪」


ココにもいたな
発情男。

開口一番
他にないのか言う事が。
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