時には優しく…微笑みを
七海を家まで送り届け、私達は課長の家に帰って来た。

「齋藤って、こっちに来てからの友達か？仲が良いよな？」

「あ、七海は、こっちに来てからには、なるんですけど。出会ったのは3年前なんです。ちょっとした事で出会いがあったんです。それ以来の付き合いですね」

「そうか、そんな事もあるんだな…」

きっと課長は車を降りる時に、七海が言った事が気になったんだろう。

そう、車を降りる時に七海は課長に向かって

「お願いします、菅野課長。朋香は少し変わってるとこあるけど、根は純粋なんです。気まぐれで傷つけないで下さいね。上司だから、なんて言い訳して傷つけないで下さいね」

少し変わってるとこあるけど、ってどこの事を言ったんだろう、七海。
確かに少し妄想癖があるけど…
だけど、嬉しかった。そう言ってくれた事が。
私は七海と友達になれてよかった、と心から思った。

「櫻井、神木物産との業務の事は頼むけれど、直接のやり取りはしなくていいからな」

「え？あ、はい…あの…」

急に振られた、彩奈さんの話に私は戸惑っていた。
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