時には優しく…微笑みを

「いきなり、真面目にならないでよ。びっくりするじゃない」

「ごめんごめん。やっとさ、朋香が恋愛する気になったのが嬉しくてさ、ちょっとはしゃいじゃった」

「七海…」

七海のその言葉に涙が出そうになった。
私と七海は、出身が大阪と東京だから繋がりなんてないに等しいぐらいなのに、3年前東京で就職したいと、就活した時に道に迷った私が、七海に声をかけた事がきっかけで仲良くなった。

だから、私が優弥さんと別れた時の事ももちろん知っていた。

私よりも憤り、優弥さんに文句を言ってやる!と言ったぐらい。
あれから、私が男の人を信じる事が出来なくなってしまった私を、いつも心配してくれていた。

「七海…恋愛する前に、失恋しちゃったかも…あれ、なんでだろ、なんで泣いてんの私…」

私は自分でも分からないけど、泣いていた。
< 98 / 195 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop