扉に光るランプ〜落とした想いの物語〜
episode2

導き合わせの再会

学校に行くのがこんなにも嫌になったのはいつからだろうか。


アリスに憧れを持たなくなったのはいつからだろうか。


かっこいい男性に対して変な恐怖感を感じるようになったのはいつからだろうか。


いつからこんなにも怖がるようになったのだろうか。


いつからなのかな。



なのになぜ………?



どうして……。


夢を見た。


チャシャ猫に誘われるがままに見知らぬ世界で目が覚めた。


歩いていると時計を持った白うさぎに声を掛けられる。


白うさぎに示された方角に進んでいると、色んな生き物や動物と物を交換しいく。


いつしかアリスワンピースドレスのスタイルが完成した。


所々、個性的なアクセサリーがあるがそれは気にしないでおこう。



着飾ったワンピースで進んでいくと、白うさぎに示された方角に帽子屋さんと三月うさぎと眠りネズミが楽しくお茶会をしていたけど、話している内容が物騒でテーブルの上に置いてあった物がグロかったので見なかったふりをした。


示された方角へと進んで見えてきたのは、はなんとお城だった。


お城に着くとお城を守っているはずのトランプ兵が、本気の決闘をしていた。


あまりにも激しさを増す状況に、逃げるかのようにお城の中へと入った。


お城に入り王座の間には赤の女王様の姿はなく、誰一人姿はなかった。


この世界に女王様がいなかった。


赤の女王様のイスには1枚のトランプの手紙が置いてあった。


『この世界には女王様がいなくなってしまった。女王様を探すには無茶苦茶になったこの世界を救うしかない。この世界は無数の物語がある。その物語を見つけなければいけない。アリスあなたは私を助けて――』


まるでそれはアリスに宛てた手紙のようだった。


ふと気が付くと小瓶が置いてあった。


ピンク・赤・オレンジ・黄色・白・黒・グレー・青・水色・緑・黄緑・紫・茶色・クリーム・ベージュ・ゴールド・シルバー・虹色・パステルカラーの様々の色が入った小瓶がカゴに入っていて、そこに「飲んで物語の世界に入ってください」と書いてあった。


その時、大きな爆音が聞こえ急いで外に出ると世界が真っ赤と真っ黒に滅んでいた。


庭で決闘していたトランプ兵も消えていた。


あまりにも突然の状況にアリスは困惑していると、胸から光り輝く鍵のネックレスが現れた。


その鍵にはハートのクラウンが付いていた。


何を意味するのか疑問に思い、足を1歩踏み出したその時、鍵から光の道として現れた。


その瞬間、体が勝手に動かされそのまま静止する事なく飛ばされる。


飛ばされ落ちた矢先はあのイカれたお茶会をしていた場所だった。


飛ばされたアリスを帽子屋によって受け止められ、その手を掴むと1滴とどこからと甘い雫が口の中に入った。


そして、パタンと本閉じる音が響きわたったのだった。


これは歪んだ世界を取り戻すワンダーランドのお話し。



「…んん………夢?」


不思議なアリスの夢を見た。


それは歪んだ世界のアリスの夢だった。


原因があるとしたらあのアリスの本を読んだから?


借りたアリスは私の知っているアリスだけどアリスではない物語だった。


まるで狂気のようなアリスの物語だった。


「……この本が原因なの?」


もし彼は何かを知って私にこの本を与えたとしたら、それはいったいなんだろう?


でも、おそらく私の知っているアリスも、一般では異なったアリスなのだろう。


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