扉に光るランプ〜落とした想いの物語〜

学校に着き教室に入って友達の姿を確認し席へと近寄ろうと足を向けるとー。


「っ」


背後からドンと手で押されて転けそうになる。


「……」


「やだあーダサっ」


「くっくっ」


後ろからからかうようにクスクスと笑い声が聞こえてる。


私は何事もないように無視してそのまま友達の所に向った。


そんな私の態度に嫌がらするクラスメイトは「うわあ、無視だよ」「感じ悪」などと、私に聞こえるかのように嫌味たらしに言ってくる。


そのまま私は無視を続けたまま友達に近寄った。


「望杏〈のあん〉〜」


「浬樹〈りき〉ちゃん碧沙〈あおさ〉ちゃん、おはよう」


「おはよう。じゃなくて、なんでいつも何も言おうとしないの」


「望ちゃん可哀想だよ」


2人の友達は心配そうな声を出してくる。



私は森瀬 望杏〈もりせ のあん〉。


有栖川学園の高等部１年。


私はどういう訳か、中等部の頃から陰湿な嫌がらせを受けられているが、基本的には無視で通している。


特に私は何かした訳でもなく、ただ突然 始まって正直困惑しているぐらいだ。


理由があるとしたら、私に告白してきたちょっとモテそうな男の子がいて、でも私は好きでも何でもなかったので断ったらなぜか態度を変えるかのように同じグループの女の子とグルとなって小学生のような陰湿な嫌がらせをするようになった。


小学生がするような嫌がらせなので、言うほど酷いものではなく物を隠されたり捨てられたりとかそういう事はないけど、言葉責めだったり先程みたいに後ろから押したりという低レベルの嫌がらせである。


それまでちょっとモテていた彼だったが、私に嫌がらせする姿に女の子は興味を失くしモテなくなったが。


嫌がらせをしてくるのは、周りの子達だけでその子が手を出したのは最初の1･2回程度だ。


それもよく分からないけど。


ただ何が理由でそんな低レベルの嫌がらせをしようとしたのか全く分からない。


でも、だからといって問い詰める気もさらさらないが。


無視して気にしていない様子に見えるが、本当はすごく嫌で止めて欲しいと思っているのが本心である。


だから、あまり学校に行きたくない理由というのがこれが原因である。