過ぎる景色を共に
僕が言葉を発する前に
あなたの顔は僕の目の前にきていて
あなたの柔らかい唇が
僕の唇に重なった


時計の秒針だけが響く
この静まり返った部屋で
僕はあなたとキスをした


唇が離れたと思ったら
あなたは何もなかったかのように
突き放すように

"なにしにきたの"

そう言ってきた

僕の思考は停止していた
しばらくの沈黙の後
忘れ物を取りに来たと伝えた

返ってきた返事は

"そう"

それだけだった


訳がわからなかった
理解ができなかった
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