ひと夏の恋をキミと
顎に手を当てながら
何かを考えている愛美が
綺麗でとても絵になっていた。


「姫奈はさ…、なんで続きを
聞かなかったの…?」


それは…


「聞きたくなかったの…。
聞いたら怖くなるから…。」



…自分がこの世からいなくなることが。


すごく切ない顔をした愛美に弁解した。


「でもね!さっき陽輝が言ってくれたの。
『俺が信じる』って。
陽輝は核心をつくことは何も
言わなかったけど、きっと気付いてる。
私がどんな病気かとか
あと、どれくらい生きられるのかとか
そういう事は分からないだろうけど、
なにか感じ取ってる。
じゃなきゃ”信じる”なんて
言えないでしょ?」


思ってたよりも
サラッと話せた自分に驚いた。
< 110 / 268 >

この作品をシェア

pagetop