ひと夏の恋をキミと
「あ!姫奈!来た~!」


私よりも先に
愛美が来ていた。


そう、ここは
里美ちゃんが働く美容院。


退院の日
髪を切ろうってずっと決めてた。


本当は里美ちゃんに
切ってもらいたかったけど
それは出来ないから
せめて働いているお店にお願いした。


「こんにちは~!」


愛美と中へ入ると
店長さんが出迎えてくれた。


「姫奈ちゃんだね!
里美から話は聞いてるよ!
可愛くしてあげるからね~!」


すっごく綺麗な女の人だった。



大きな鏡の前に座らされて
早速取り掛かった。



「え!サラさんって私たちの
一個上なんですか!?」


えへへ~と得意げに笑う顔が
また綺麗。


「そうよ~、医師免許も取ったんだけど、
向いてないな~って思って
美容師の資格取ってお店出したの!
案外向いてたみたい!」
< 251 / 268 >

この作品をシェア

pagetop