ひと夏の恋をキミと
大和先輩も二つ返事でOKして
私と陽輝君は取り残された。


「みんな行っちゃったね。」


その場に腰を下ろしたので
私も隣に座った。


波の音、静かに私達を照らす
沈みかけの夕日。


どちらも言葉は発さないけど
この空間が心地いい。



しばらくの間海を眺めていると


「姫奈ちゃん。」


呼ばれて陽輝君を見る。
陽輝君はとても真剣な顔をしていて
目を反らせなかった。


「…なに?」


「運命って、信じる?」


運命…?


「俺、信じたいなって思ったんだ、今日。」


「それって、どういう意味…?」


聞いちゃダメだとは思ってても
聞かずにはいられなかった。


「…このバイトが終わる時に言うよ。」
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