空をつかむ~あなたがどこまでも愛しくて
1.ベンチ
1.ベンチ
開園と同時に門をくぐる。
今日は水曜日。平日だからか朝一番の動物園は人も少ない。
足早に向かった先はゾウの檻の前。砂埃を太い足でまき散らしながら彼は長い鼻をもたげていた。
「おはよう」
心の中でつぶやきながらゾウの優しい目に挨拶する。
ゾウの檻から少し離れた木陰のベンチが私のいつもの定位置だ。
ベンチに腰掛け、持って来たスケッチブックを広げる。
そしてチャコールペンでいつものようにゾウの姿をデッサンしていった。
私はゾウが好きだ。あの澄んだ優しい目はこんな私の全てを理解して受け入れてくれてるような気がする。
きっと裏切らないって信じられる目。
小さい頃から動物園でゾウを見るのが好きだった私が描くモチーフは、いつの間にかゾウしか考えられなくなっていた。
丸みを帯びた背中から腰のラインがとても美しくて、優しい。
私、優しさに飢えてるのかな。
そんな丸いラインを目で追いながらスケッチブックにペンを走らせた。
開園と同時に門をくぐる。
今日は水曜日。平日だからか朝一番の動物園は人も少ない。
足早に向かった先はゾウの檻の前。砂埃を太い足でまき散らしながら彼は長い鼻をもたげていた。
「おはよう」
心の中でつぶやきながらゾウの優しい目に挨拶する。
ゾウの檻から少し離れた木陰のベンチが私のいつもの定位置だ。
ベンチに腰掛け、持って来たスケッチブックを広げる。
そしてチャコールペンでいつものようにゾウの姿をデッサンしていった。
私はゾウが好きだ。あの澄んだ優しい目はこんな私の全てを理解して受け入れてくれてるような気がする。
きっと裏切らないって信じられる目。
小さい頃から動物園でゾウを見るのが好きだった私が描くモチーフは、いつの間にかゾウしか考えられなくなっていた。
丸みを帯びた背中から腰のラインがとても美しくて、優しい。
私、優しさに飢えてるのかな。
そんな丸いラインを目で追いながらスケッチブックにペンを走らせた。
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