空をつかむ~あなたがどこまでも愛しくて
15.ありがとうをあなたに
15.ありがとうをあなたに
パリに来て5日目。彼の製作発表が大盛況に終わった事を見届け日本に帰国することにした。
空港まで醍に送ってもらい、フライトの前に植村さんに国際電話をかける。
「長いこと勝手して本当にごめんなさい。今から帰国します。展示会は問題なかったですか?」
『問題って、大ありよ!』
植村さんの声が受話器越しにバリバリ音が割れるくらいに響く。
「何かトラブルでも発生しました?」
一気に現実に引き戻され、血の気がひいた。
『和桜ちゃんとTUYUKUSAさんの並べて展示した絵!』
「それが??」
今となっては私達二人の絵だ。
『あまりにもお似合いの絵だって、取材者達がこぞってこの二枚の絵をクローズアップさせちゃって、入館者人数が毎日すごいことになってるのよ。新聞記事にもこの絵を見たら幸せになれるみたいなキャッチフレーズ付けちゃったもんだから』
「なんですか!それ」
私も思わず大きな声が出る。
『だから毎日こっちもてんやわんやなの。早く帰ってきてちょうだい!それからゆっくり・・・・・・』
植村さんは一呼吸空けて言った。
『パリでの出来事、教えてもらうわ』
「はい」
私は笑って答えた。
パリに来て5日目。彼の製作発表が大盛況に終わった事を見届け日本に帰国することにした。
空港まで醍に送ってもらい、フライトの前に植村さんに国際電話をかける。
「長いこと勝手して本当にごめんなさい。今から帰国します。展示会は問題なかったですか?」
『問題って、大ありよ!』
植村さんの声が受話器越しにバリバリ音が割れるくらいに響く。
「何かトラブルでも発生しました?」
一気に現実に引き戻され、血の気がひいた。
『和桜ちゃんとTUYUKUSAさんの並べて展示した絵!』
「それが??」
今となっては私達二人の絵だ。
『あまりにもお似合いの絵だって、取材者達がこぞってこの二枚の絵をクローズアップさせちゃって、入館者人数が毎日すごいことになってるのよ。新聞記事にもこの絵を見たら幸せになれるみたいなキャッチフレーズ付けちゃったもんだから』
「なんですか!それ」
私も思わず大きな声が出る。
『だから毎日こっちもてんやわんやなの。早く帰ってきてちょうだい!それからゆっくり・・・・・・』
植村さんは一呼吸空けて言った。
『パリでの出来事、教えてもらうわ』
「はい」
私は笑って答えた。