【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
エピローグ


エピローグ

夕方、肌寒いロッカールームでわたしは布巾を手にしていた。

空っぽになったロッカーを綺麗に拭き上げていく。

あの噂、やっぱり本当だったのかな。

ひよりから必死でこのロッカーを譲ってもらった日のことを思い出して、ひとりで笑った。

あのときは藁をもすがる思いだった。

扉の裏にある鏡を見ると、そこには笑顔の自分が映っていた。

これまでつらいときに映っていた自分の顔は今では思い出せない。

それくらい今のわたしは幸せでいっぱいだった。

「ありがとうございます」

パタンと閉めたロッカーの扉に手をあてて、心を込めてお礼を言った。

明日からわたしは結婚のために休暇に入る。

そしてその休暇明けには、長年勤めた本社を離れてコールセンターへ異動することが決まっていた。

自分で希望して出した答え。

今のままでキャリアを積むよりもケイトとの時間を大切にしたいと思い、配置転換を申し出た。
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