【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
「ひよりも、皆川さんの知り合いで素敵な人がいたら紹介してくれない?」

「それは、お願いしてみますけど……、そもそもどういう人がタイプなんですか?」

たしかに無条件に紹介を頼んでも向こうも困るだろう。

「えーと、見かけはそこまでこだわらないわ。わたしも人のこととやかくいえる顔してないし。でも、清潔感はあってほしいかな。
出来れば歳上か同じ歳がいいかな。年下に甘えられるのもNGだし、自分の歳にコンプレックス感じそうで。あと一番重要なのは、きちんとした固い仕事をしていること」

「はぁ、わかりました。でも、年齢とはそこまでこだわる必要ありますかね?  年上でも甘えてくる人はいるだろうし」

「でも間違いなく相手の若さに嫉妬してしまうわ」

「そんなものですかね……芽衣子さん、十分魅力的なのに、自分を過小評価しすぎなんじゃないですか?」

なぐさめの言葉でもうれしい。

「そう言ってもらえると、うれしいわ。今日は前哨戦としてわたしのおごりよ」

「前哨戦って、結婚は戦いじゃないんですから」

「わたしにとっては、人生の瀬戸際よ。ひよりの幸せパワーにあやかって、わたしも一気にゴールインするっ!」

確固たる決意を胸に、高らかに宣言した

「とりあえず、ビール飲むわよ」

「はい、お付き合いします」

苦笑まじりのひよりを、わたしはこの日、日付が変わるまでつき合わせた。

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