総長さんが甘やかしてくる③
宗吾さんは、おばさんに逆らえなくてわたしをイジメた……?
「小さな子供が親に逆らうなんて、どんなに憎くてもなかなかできっこないよね。捨てられたらなにもかも失うことになるのにさ」
「それでも。それなら、尚更。優吾さんみたいに放っておいて欲しかった」
「本当に?」
「はい」
「じゃあ言うけど。あいつが敵なら、とっくにキミのこと汚してる」
――――!
「いくらでも思いつくんだよ。孤独なキミをいたぶる方法」
わたしを。
いたぶる、方法?
「ストレスの捌け口にする方法」
「……っ」
「宗吾はキミをもっともっとボロボロにできた。かわいい女の子だもん。やれることも、そのチャンスだって、いくらでもあったんだ」
もっと、もっと、ボロボロに……
「でもさ。目を覚ましたら宗吾が上に乗っかって。腰ふってたわけじゃないでしょ?」
乱暴されるどころか。
触れられたことさえ、ない。
「所詮は育ちのいいお坊ちゃん。いまいち悪人になりきれてないのさ。もっとも、キミの知らないところでは、なにをしてるか知らないけど。キミ以外の女の子たちを、どんな扱いしてるかなんてわかんないけど。キミには酷いことしきれていないんだ。実際、キミを目の前にして連れて帰らなかったしね」
「それは、サトルさんが強かったから一旦引いただけで……」
わたしが。
わたしが、イラナイからで。
オバさんの命令で動いたけどわたしを嫌っているからで。
わたしに、本当は、消えて欲しいから。
「サトル相手でも。強引に連れて帰ることできたと思う。力では負けても、頭使える男なんだから。……それをしなかったのは」
「……しなかった、のは?」
「キミが楽しそうだったから。だったりして」
(…………え?)
「まあ、脚色してるよ。もちろん、宗吾はただのクズかもしれないし。会ってみないことにはわからない。ただ、おばさんや優吾の目を誤魔化せてもさ。ボクは騙されないよ。剥いでみたいなー、宗吾の仮面」