祈り












「そういえばさ、半分不登校なんだよね、俺」
「……え?」
「多分、あんたがいる学校。転校してきたから」

驚いて、口を開けてしまった。
トイレで脅された原因の転入生は、高城さん?
信じられない反面、少し嬉しい。

「き、来てください……!」
「こんな音楽バカ、根暗って言われるだけだろ」
「…………」
「ほらな」

俯いてしまった。
何もいえない。
本当に、本当にそうだからだ。

「ごめんなさい……」
「お前が謝る事ないだろ」

バイオリンの蓋を閉めて彼はにこっと笑った。
その笑顔は、力なく、切なそうだった。
ごめんなさい、力になれなくて。
私は本当に力がない女だった。
本当に、何も出来ない……!

「バイオリン、初日学校に持ってきてください」
「え?」
「みんな聞けば、そんなの……」

彼は少し固まった。
「アホか」と呟いてバイオリンをしまうと
紅茶を淹れてくれると部屋を出て行ってしまった。

藤森なら、このとき何と言うだろう。
きっと、殴ってでも言い通すんだろうな。
あの人は、真っ直ぐな人だから。












< 50 / 50 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:1

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

☆リクエストボックス☆
TINA/著

総文字数/398

その他2ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
こんにちわ。 ここでは、 リクエスト小説を 実現化させて行きたい と思っています!! 感想ノートのほうにリク、 宜しくお願いいたします!!
五月雨・弐
TINA/著

総文字数/24,843

恋愛(その他)77ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
ねえ、大好きだよ。 五月雨も、 もう冷たく感じない。 大好きだよ……。 【五月雨・序】を先に どうぞ読んでみてください。
パートナー
TINA/著

総文字数/22,555

その他62ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
君との出会いは、突然だった 恋じゃなくて 友情なのかな? 何なのか分からない。 でも、 君が好き。 猫と主人公の物語です。 小路さまのリクエストにより作成されました。 小路さま、有難うございました。 リクエストも待っています!!

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop