一途で甘いキミの溺愛が止まらない。




ーーー「うわぁ…すごい…」



夕方になると執事さんが迎えに来てくれ、パーティ会場へと移動した。



そこはとっても有名で大きなホテルらしいけれど、緊張しすぎて頭がうまく働かない私はエントランスを見ただけでさらにガチガチになる。



「上条様、お待ちしておりました」



エントランスに入るなり、ホテルの人か誰かは分からなかったけど、私たちの元までやって来た。



「準備はできてますか?」
「はい、できております」



「じゃあこの子をよろしくお願いします」
「……え…?」



すると蓮くんが私をその人へと差し出す。



「かしこまりました。
準備が終わりましたら、上条様をお呼びいたします」



「はい、お願いします。
…菜穂、じゃあね。


少しだけ離れるけど我慢するよ…」



「え…?えっと、どういうこと…?」
「ドレスに着替えておいで?」



蓮くんは私の頭を軽く撫で、そっと離れた。



「桃原様、こちらでございます」



その人は私の苗字まで知っていて、そう言われてしまったから仕方なくついていく。



< 244 / 370 >

この作品をシェア

pagetop