俺様王子の初恋

高校生活の幕開け


「いってきます」


その言葉と同時に、私は扉を開いた。



今日から、私の高校生活が始まります。



桜の木が連なった、ながーい道をゆっくりと歩く。



中学生の頃は、夢なんて考えたことなくて、



高校は友達と同じところを選んだ。



だから、不安とかはあまりない。



学校が見え始めたところで、



プーっと車のクラクションの音が後ろの方で聞こえる。



反射的にその車に目をやると、


「わ、渉君…!」


幼馴染の 大瀧 渉 (おおたき わたる)君が、ニコニコしながら運転してるのが見える。



…今日もかっこいいな、、



なんて、実は私、小さい頃から片想いを続けてます。



校門を上がると、車から降りたのか、私の方へ駆け寄ってくる




「渉君、、職員玄関ってこっちじゃないよね?」



「ちげーよ。芽生がどんな顔で登校してんのか気になってな」



…どんな顔って



「私の顔は、定期的に変わらないよ」



「ははっ、確かに。てか、今日から渉君とか呼ぶなよ?大瀧"先生"な」


「…」


渉君は、意地悪そうな顔をしてそんなことを言う。


なんで、先生になんかなったの?



今まで縮めてきた距離が、一瞬にして離される感覚が起きる。


「…はーい。渉先生」


私は気の抜けた返事をし、クラス表を見に行く。



…すごい人。


私は後ろの方で、背伸びをしながら見ようとするも


遠くて文字すら見えない。


すると


「あ!芽生いた!もー、探したんだからね!」


くっきり二重の、高身長の女の子。



「あ、茉梨!クラス表みたいの!」



この子は私の中学からの友達、片平 茉梨 (かたひら まつり)


バスケ部でボーイッシュだけど、顔はものすごく可愛い



茉梨曰く、私とは真逆の性格らしい



「まったく、あんたが一人でいると危なっかしいから明日からは一緒に登校するよ!?」


なんて、拗ねたよな口調でいいながら、前の人をかき分ける



…危なくないと思うんだけど



「お!!私達同じクラス!!やった!!」



「えっ、ほんと?」



なんと、クラスも一緒らしく、これで不安がひとつ消えた



私達は、教室へ向かい、自分の席に座る。


まさかの、席まで隣だから運を全部使い果たしたような気がした。









時間が経つと、式が始まる。


もちろん周りは知らない人ばかりで、少しだけ緊張する。


「新入生の皆さん、御入学誠におめでとうございます」


同じような文章をズラズラと読むお偉いさん。



…あぁ、、寝ちゃいそう。


なんて考えていると、壇上に登り始める先生方。


これで一気に目が覚める。


一年次の先生紹介らしい、、


ズラっと並ぶ先生を見てると、明らかに1人だけずば抜けてかっこいい人がいる。


…渉君だ


スラッと背が高くて、優しい顔立ちで、堂々とした立ち方。



こんなんじゃ、皆惚れちゃうよ


私はぼーっと渉君を見てると



こっちを見たような感じがした。



…え、、今見た?


すると



「…っ」


渉君は可愛い笑顔で、私を見てくる。



…あざとい、

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