溺愛彼氏

「君のためなら」








体温計で熱を計れば38.2℃。平熱が36.2℃程度しかない私にはなかなかにだるいこの熱さ。

ベッドの上で死にかけていれば、玄関からガチャリと音がした。


「あんず大丈夫?」

「大丈夫です。ごめんなさいありがとう」


優しい声音と共に姿を現したのはもみじくん。両手に持ったコンビニの袋になにをそんなに買ったのだろうと少々の疑問。


「もみじくん、なんかすごい量だけどいったいなにをそんなに買われたのですか…」

「ああ、あんずがほしいって言ってた桃の缶詰と、あとあんずの好きそうなアイスにジュースとかいろいろ」

「なんだか本当に申し訳御座いません……」

「いいから、はやく元気になってください」










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