その誕生日はきっと誰かの特別な日。
特別なためのレストラン。
ついて行ってたどり着いたのは静かなレストランだった。
ここなの? 騒げなくない?

「土師で予約してます。」

予約の名前を言って案内されたのは小さなの壁際のテーブルだった。

???

椅子を引いてもらって、座った。

????

もちろん目の前のもう一つの席に匠が座る。

飲み物のリストを匠が見て、ワインを頼んでるのを不思議な気持ちで見ていた。
他の席を見る。
半分くらい埋まってる。

誰かを待ってる人もいるし、食事を始めてる人も。
予約のプレートが置かれてるテーブルもある。


「ねえ、みんなは?」

「誰のことだよ。」

「知らないけど、祝ってくれる人。」

「残念だが、そこは平日だし、他の奴にとっては昨日と今日と明日の違いはない。普通の日だ。」

「匠だけ?」

「何でそう不満そうなんだよ。」

「てっきり朝一で誰かに声をかけて計画してくれたんだと思ってた。」

「残念、俺一人。」

じゃあ、サプライズは?何?デザートに花火とか?
どこからかギタリストかピアニスト・・・・ピアノはない、ギタリストが生歌のハッピーバースデイ?
ああ、それはちょっと恥ずかしい。

知らない人に拍手されても・・・・。

「いいだろう?今更帰るとか言うなよ。」

「当たり前じゃない、レストランに失礼だよ。」

「俺にも失礼だけど。」

無視。
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