恋愛相手はアスリート。。。

部屋へ入った勇さんは
「あー疲れたぁー」と一言叫んで
ソファーにどんっ!と座った。


「ごめんなさい
母がハイテンションだったから」


「違う違う
めっちゃ緊張してたから」


「えっ?勇さんでも緊張するの?」


「はぁ?勇さんでも?って
どー言う意味かな?」


「いや。。。緊張しないタイプかと」


「するだろ?普通
彼女の親と会うのに
緊張しないやつって居ると思う?」


「でも。。。勇さんは特別かと」


「特別?なんで?」


「うん?なんとなく?
大舞台でプレーしてる人だから?」


「何それぇ
プレーしてても緊張するよ!
ツーアウト満塁でバッターボックスに
入ったのと一緒」


「うん?どー言うこと?」


「オレがここで三振したり
凡打だったらどーしよう
みんなは球をよく見て四球を選ぶか
ヒットを期待してるのにって思うと
緊張するよ」


「そーなんだぁ
そっか!そーだよね」


「・・・という事で肩もみして」
とおねだり。


荷物を置いて私はソファーの後ろに回り
勇さんの肩をモミモミ。


「あー気持ちいい」


勇さんは頭をくるくると左右に
動かしながらそれしか言わない。


「ねっ!もういい?」


「ダーメ まだまだ」


「手が痛いんですけど?
もう力入んないし」


「ダーメ 気持ちいいんだから」


「あたしにも限界ってものがあるので」


「オレだって美結が
『気持ちいい!もっともっと』って
言ったらやめないで続けてるだろ」


「はぁ?あたし勇さんに
肩もみしてもらった記憶ないんだけど」


「プッ 誰が肩もみって言った?
『ねっ 勇さーん 気持ちよすぎて
変になっちゃう』ってね」


勇さんはアノ時のあたしの言葉を
真似してる?と思ったらカァ!と
顔が熱くなって肩もみしてた手をやめ


「もっ!!!
何言ってるのかと思えば!
もっ!!!2度と肩もみしないから」
と怒った。







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