"あやまち"からはじめませんか?



「5番テーブルのお会計に回ってもらえる?」

「分かりました」


文化祭2日目は相変わらず混雑していたものの、なにごともなくあっという間に時が過ぎていった。


少し時間が出来たら、お店を見れたらいいなと思っていたけど……。


「もう3時か……」


あと2時間で文化祭は終わる。


「仕方ないわね」


今回もお店を見ることなく終わりか。

そう思っていた時、


「結衣さん」


宇佐美くんが私の肩を叩いた。


「そろそろ抜けませんか?働きっぱなしでしょ?」

「でも……」

「1年生がクラスの方終わって来てくれたんです

あとは任せましょうよ」


いいのかな……。


迷っている私を見て、宇佐美くんはあきれたようにため息をつく。


「じゃあ俺が休みたいんで、付き合ってください」


確かに宇佐美くんもほとんど休みなく働いてくれた。



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