世界で一番可哀想な男のお話

エシク

約2年半をかけ、
46人まで達成する事が出来た。
その頃にはニルは人にあるほとんどの感情を示していた。
自分の妃となった者が消えてしまうとき、
彼は人並みに悲しんだ。
が、すぐに次の女性に切り替える事が出来た。
というのも、彼にはまだ芽生えていない負の感情が一つあったのだ。

47人目の女性はエシクという名だった。
彼は今までの妃よりも可愛がった。
自分よりも20も上の女性をそれはそれは可愛がった。
エシクもエシクで20も下の男の子に可愛がられることを
とても喜んだ。
そして、何も知らぬまま彼にキスをした。

彼は彼女が消えた後、初めてこう呟いた
「愛していた。」
と。
彼は彼女から愛をもらったのだ。
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