懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
これは最悪なシナリオだが、可能性は否定できず、ラナは自分に何ができるだろうと考えていた。

好奇心旺盛な性格のため、新しい知識を身につけることは面白く、子供の頃から勉強は嫌いではない。

二年ほど前から、兄が王位に就いた時にサポートできればと、国政についても勉強し始めた彼女であったが……父や大臣たち、教えを請おうとした政治学者までもがいい顔をしてくれない。

女は政治に関わるな、という雰囲気である。

父の執務室にしか置いていない、経済学の本が読みたくて借りにいった時は、『お前がそんなことを学ぶ必要はない。可愛げがないと思われて、かえって邪魔な知識となる』と父に諭されたこともあった。

女なのだから、花嫁修行だけに精を出せと、父は思っているのだろう。


男に生まれたかったと、ラナは嘆息する。

なにかいい方法がないかと模索しても、女の身では国政に関わる手段を見つけられない。

「どうしよう……」と答えの出ない悩みを呟いてから、ラナは毛布を跳ねのけて、ベッドに身を起こした。

薄闇の中、振り子の柱時計に目を凝らせば、深夜一時を回ったところであるようだ。


(今夜は眠れそうにないわ……)
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